島根県飯南町が「住みたい田舎」ベストランキングで中国エリアの1位といわれる理由とは?「住みたい田舎」ベストランキングで、中国エリア1位を獲得した飯南町
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2021年(令和3年)に宝島社が発表した「住みたい田舎」ベストランキングで、中国エリア1位を獲得した飯南町。
人口4650人の小さな町ですが、町をあげて育児支援や農業支援、住宅支援を行っているため、毎年約50人もの人が移住を決意しています。今回は、そんな飯南町の魅力やランキングで1位に輝いた理由についてご紹介します。
文/鰆
飯南町ってどんな街?
松江駅からバスで約1時間30分、広島駅から電車とバスで約2時間10分の場所にある飯南町。島根県の中南部に位置し、242.8 km²ある面積の90%は山林や原野が占めています。町は、標高1,000mを超える琴引山(ことびきさん)や大万木山(おおよろぎさん)に囲まれているため、登山や森林セラピーが楽しめますよ。
有名な観光スポットとしては、ポピーやコスモスが咲き乱れる「東三瓶フラワーバレー」や、珍しいワニ料理(中国地方ではサメをワニと呼ぶ)がいただける「道の駅 頓原」があげられます。
町を支える主な産業は農業と林業で、リンゴやぶどう、トマトなどの栽培が盛んに行われています。また、飯南町で栽培されている農薬の使用を抑えた「エコロジー米」は、「安全でおいしい」と評判です。
飯南町が住みたい田舎第1位に輝いた理由
数ある田舎の中で飯南町が住みたい田舎ランキング1位に選ばれた理由として、以下の3つがあげられます。
子育て支援制度が充実している
飯南町は、金銭面と教育面の両方をカバーした、以下のような育児支援制度を実施しています。
- 2歳以下の保育料の無償化
全国では満3歳以上の保育料が無償とされていますが、飯南町では2歳以下の子どもの保育料も無償に。そのため、小さな子どもを預けて、早めに職場復帰したい方も安心して移住を検討できます。
- 中学生以下の子どもの医療費免除
飯南町では中学生以下の子どもの医療費を全額免除しています。資格証を提示すれば窓口負担することなく、医療機関を受診可能です。
県外の医療機関を受診した場合は、窓口で治療費の支払いが必要となりますが、町役場に申請すると全額返還されます。
- 保小中高一貫教育
町内では、保小中高一貫教育を実施。保育園から高校までが連携し、子どもたち一人ひとりに合わせたきめ細かい教育支援を行っています。
中高生向けの町営塾も開設しており、中学生は無料、高校生は月々5,000円(中高共に別途月々1,000円の教材費が必要)とリーズナブルな価格で利用可能です。
夏場は涼しく過ごしやすい
飯南町は標高約450mの場所に町があるため、7月の平均気温は23℃、8月の平均気温は23.8℃と、涼しい夏が過ごせます。夜になるとクーラーはほぼ必要無いため、電気代も少なくて済みますよ。
また夏の町内には美しいホタルや、世界最小の赤いトンボ「ハッチョウトンボ」が飛び回ります。各地でお祭りも開催されたりするため、誰もが憧れた「田舎ならではの夏」が過ごせることが魅力。
木陰も多いので、日陰の無い都会では室内に籠もりがちな昼間から、子どもと思いっきり外で遊んだり、ペットや家族とのんびりお散歩したりできます。
通学やショッピングに便利な町営バスが運行
飯南町では「生活路線バス」と「飯南町デマンドバス」を運行しています。病院や道の駅、学校の前に停まるため、通学や通院、ショッピングをする際に便利です。
生活路線バスの場合、運賃はどこまで乗っても大人200円、高校生100円。また、飯南町デマンドバスの場合は300円で乗車可能で、生活路線バスを乗り継ぐ場合は200円割引となります。回数券や定期券もあるため、毎日利用する場合はさらにお得に利用することも可能。
そのほかにも、飯南町と三次市を結ぶ「備北交通バス」や民間タクシーもあるので、「車を持っていないから、田舎で暮らしていけるか不安」という方でも快適に暮らせますよ。
飯南町の移住支援制度をチェック
飯南町では、移住者向けの支援策として農業支援や住宅支援、交通費の助成を行っています。
農業支援制度は幅広い年代が対象に
飯南町の代表的な農業支援制度として、「農林業定住研修制度」が挙げられます。
月15万円の支援金を受給しながら、1〜2年間の農業研修を受けられるため、農業が未経験の方でも自営農家として独立可能です。農業支援制度は若者が対象であることが多いですが、飯南町では49歳までの方が支援の対象に。そのため、幅広い年代の人が制度を利用できます。
また、研修終了後は町が整備したビニールハウスを安価で借用できるので、初期費用も抑えられます。
随時受付中の農業体験は、体験料・宿泊費共に無料。交通費も半額(上限あり)補助されるので、遠方に住んでいる人でも気軽に参加可能です。
住宅関連の支援制度
- 飯南町地域資源情報バンク
飯南町では、地域の方が登録した空き家の貸し出しを行っています。5〜10LDK程度の家が、約1〜3万円で借りられるため、大家族で移住した場合でも生活費が安く抑えられますよ。
借りた空き家の一部が壊れたり雨漏りしたりした場合は、その都度町役場がきめ細かく対応してくれるので、「空き家だと安全面が心配」という方でも安心して暮らせるでしょう。
- お試し暮らし住宅
飯南町では家具や家電、寝具の揃った5LDKのお試し住宅の貸し出しも行っています。1週間3人で利用した場合、住宅借用料4,000円+別途経費が一人あたり2,000円と使用料は、リーズナブル(※4人目以降は借用料が1,000円追加。中学生以下は利用料無料)。
1週間〜1ヶ月滞在できるので、夫婦や家族で田舎暮らしを体験しながら、じっくり移住を検討できます。
飯南町外に通勤する人の交通費を助成
飯南町では、65歳未満で自宅と職場の距離が10㎞以上離れているUIターン者の交通費を助成しています。そのため「町外で働きながら飯南町に移住したい」という方も移住しやすくなっています。
助成額は月5,000円で、期間は最大12ヶ月。飯南町の公式HPに掲載されている申請書と誓約書、住民票、勤務地を証明する書類を揃え、役場に申請すると、助成が受けられます。
飯南町ライフの楽しみ方
涼しい夏に、美しい雪原の広がる冬と、四季折々の自然が楽しめる飯南町。この項目ではそんな飯南町ライフの楽しみ方についてご紹介します。
森林セラピーで心身共にリフレッシュ
西日本ではじめて「森林セラピー基地2つ星」に認定された飯南町。セラピーの拠点となる「飯南町ふるさとの森」の歩道には、柔らかいウッドチップが敷かれているため、足腰に負担をかけず、セラピーを受けられます。
体験時間は2〜3時間で、セラピーコースの全長は2.3㎞。途中で座ったり森の植物に触れたりしながら、ガイドと共にのんびり森を散策していきます。森林セラピーには、リラックス効果や免疫力向上効果があると言われているため、体験すると心身共にリフレッシュできますよ。
道中には香りの良いヒノキやコナラなどが生えているほか、紅葉やヒメホタルなどその季節にしか見られない自然の姿も見られます。
冬場はウィンタースポーツが楽しめる
中国地方有数の豪雪地帯として知られている飯南町。町内には「琴引フォレストパークスキー場」があり、冬場はスキーやそり遊び、スノーボードなどのウィンタースポーツが体験できます。
スキーのコースは初心者向けから上級者向けまで全部で7コース。そり専用のゲレンデや、立っているだけでゲレンデをのぼれる「動く歩道」、雪の中に巨大な象の滑り台が設置された「キッズパーク」もあるため、家族みんなで楽しめますよ。
たまに行く程度なら回数券や1日券で大丈夫ですが、頻繁に遊びに行く場合は、シーズン中いつでもウィンタースポーツ体験できる「シーズンパス券」を購入するのがおすすめです。
全国的に珍しい黄金色の温泉
飯南町にある「加田の湯」には、全国的にも珍しい黄金色の温泉が湧いています。お湯には、炭酸や鉄分が豊富に含まれており、冷え性や打ち身、やけどなどに効くと言われています。かつては武将が戦で負った傷を癒やしに来たこともあるんだとか。
お風呂はヒノキ風呂と岩風呂の2種類で、炭酸成分を保つため、お湯の温度は38〜40℃とぬるめに設定されています。そのため、15分程度お湯に浸かるといると身体の芯から温まり、入浴後は数時間身体がぽかぽかした状態を保てます。
施設内には、味噌汁にすりつぶした大豆をたっぷり入れた島根県の郷土料理「ご汁」をいただける食事処「ごんべえ茶屋」もありますよ。
自然豊かな飯南町で移住ライフを楽しもう!
豊かな自然に囲まれた飯南町。農業支援制度や住宅支援制度が充実しているため、「大自然の中で農業をしながら、のんびり暮らしたい」という方にぴったりの町です。
また、充実した育児支援制度もあるので、子育て世帯の移住にもおすすめ。
お試し暮らし住宅の貸し出しや移住者向けの農業体験も随時行っているため、気になった方はぜひ足を運んでみて下さいね。