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車は必須、人間関係で苦労ってホント?「地方あるある」のリアルを移住経験者が教えます

みなさんは地方における生活について、どういったイメージを持っているでしょうか? 「仕事が少ない」「車が必要になる」「空気の綺麗な場所でのんびり過ごせる」……など、様々なイメージがあるかと思います。

自分の大好きな土地へ移住し、理想の生活を送りたい!と考えていても、実際に移住してみると理想と現実のギャップに悩むことは少なくありません。どうしても想定外のギャップが発生してしまうのは仕方ないとはいえ、地方での生活に関する一般的なイメージとのギャップは解消しておきたいですよね。

今回は、そんな「移住を考えているけど、よく地方で言われるコレってどうなの?」をテーマに、東京23区から広島へ移住し半年を迎えた筆者が、その経験から現在の生活をもとに回答していきます。生活に関連した簡単なプロフィールを以下に記載しておきますので、一例として参考にしてみてください。

文/宮本デン

【筆者プロフィール】
宮本デン 女 31歳 二人暮らし
東京都大田区→広島県広島市へ移住
職業:ライター(在宅勤務/主要都市への出張あり)
自動車免許あり
ほぼ毎日自炊


地方には仕事が少ない?⇒【×】

私が移住したのは広島県広島市なので、地方とはいえ比較的大きな都市となります。大きい会社やチェーン店なんかも多くありますので、地方で言われるような「仕事がまったく見つからない!」といった状態ではないようです。

実際に従業員を募集している広告もよく見かけますし、求人情報も多く見受けられます。また、TimeeやUber Eatsなどといったスキマ時間で働くサービスも普及しているため、業種の多様性という点においてもあまり遜色はないのではないでしょうか。

とはいえ東京よりは最低賃金は低いですし、選択肢の多さも首都圏内のほうが圧倒的です。こういった弱点については、リモートや働き方改革の普及により徐々に改善されていくのではないでしょうか。

生活に車が必要?⇒【〇】

日々の生活において、基本的に自動車は必要です。経験上、車を持っていない、運転ができないというだけで、居住地の選択肢は大幅に狭まります。

私はたまたま現在も車を持たずに生活できていますが、それはインドア派であること・基本外に出ないこと・歩くのが苦じゃないこと・食品や日用品が近場で揃うこと……などの条件がたまたま重なって生活を維持できているだけです。

せっかく移住したのだからいろいろな場所へお出かけしたい!といった方や、家族が多くて送り迎えや買い物が多くなる方は車が必須になります。私もこの先、いずれは車を所有する必要があると考えています。

そもそも地方に移住すると、家賃には基本的に駐車場料金が含まれるため、車を持たないとその分割高に感じられる場合があります。物件によっては交渉して駐車場料金を除外してくれる場合もありますが、不動産屋さんが言うには基本的にはあるものだと考えたほうが一般的とのことです。

空気の綺麗な場所でのんびり過ごせる⇒【〇】

これは正直、広島ぐらいの都市だとそう変わらないのでは?と思っていましたが、意外にも大きな変化を実感しています。

これは私自身の体質との相性によるものなので個人差はあると思いますが、毎年秋~冬にかけて発症していた咳喘息が、広島に引っ越した昨年は発症しませんでした。普段は筋肉痛になるほどに咳を繰り返していたため、嬉しい出来事です。割と大きめの都市である広島でも改善したので、よりのんびりした土地であればさらに空気の綺麗さを実感できるのではないかと思います。

広島は山や海と市街地の距離が近いため、市の中心部に住んでいても自然を眺めることができ、家の中でも気分転換ができます。そのうえ東京と比べて人が少ない分、ショッピングモールでもそこまで人混みが多くないですし、満員電車に乗ることがなくなったため、比較的ストレスをためずに過ごすことができています。

また、晴れの日が多く寒さが厳しくない土地だということもあり、年中快適に過ごせています。移住先を検討する際には、その土地の気候が自分に合っているかを確認しておくのも良いかもしれませんね。

地方は物価が安い⇒【×】

残念ですが、物価についてはあまり差を感じませんでした。現在は全国展開のお店も多くありますし、物価も上がり続けていますので、そこまで大きな差はないのかもしれません。ただ、家賃に関しては段違いに安いです。

日常的に物価を感じる食費に関しては、地域に根差した小さいスーパーだと日によって値段の変動を感じます。

すごく安く手に入る日もあれば、これは少し高い!と思う日もあり、商品や季節によってまちまちです。こういったスーパーでは値段の変動があるのと同様に、常に同じ商品が手に入るわけではないので、全国展開のスーパーと使い分けていくと日々の食費を抑えられるかもしれません。

ただどちらの店舗にも言えることですが、その地域特有の商品は必見。広島は冬の時期、鍋や牡蠣フライのための牡蠣パック(加熱用の牡蠣の中身だけが売られているもの)がどこでも安価で販売されています。東京にいたころはスーパーで見かけることは少なく、売られていたとしても日常的に手に入るような値段ではなかったため、初めて見たときは広島らしさを強く感じました。

ライブやイベントに参加しづらくなる⇒【〇】

これはまさに想像通りで、交通手段や宿泊先の確保、金銭的な問題や日程的な問題などで、ライブやイベントに参加するハードルは明らかに高くなります。推しのためにお金を使いたい気持ちは山々ですが、現実的に難しい部分も多く諦めることも少なくありません。

これまではちょっとしたポップアップストアやコラボ関係もサクッと参戦できていたのに……と悲しい気持ちになりますが、こればっかりはどうしようもないと割り切っています。今は配信やネット注文もあるし、現地で参戦したいものを吟味するのも楽しみの一つです。

また、遠征をするのであればいっそ東京ではない場所のイベントに行って観光しよう!というマインドに切り替えるのもおすすめです。

私は広島に引っ越したことで、福岡や大阪、果ては北海道まで視野に入れるようになりました。東京にいると近場で済ませられる分、地方のイベントに参戦するという思考にはならなかったため、これはこれで今後の楽しみとなっています。

ご近所の人との距離が近い⇒【×】

広島で新居を決めた後、不動産屋さんに引っ越し挨拶について聞いたところ、「むしろ挨拶はしないほうが無難です」と言われました。

家族層が多いマンションや一戸建てに引っ越す際にはまた違うかもしれませんが、大きめの都市であることと、若い層が集まりがちな賃貸であることを鑑みると、防犯上引っ越しの挨拶はしない方が現在は一般的であるとのことでした(あくまで、私の地域に関しての話です)。

そうなってくると、隣人やご近所との距離感は東京で暮らしていた頃とそう大きく変わりません。隣人の方もたまに顔を合わせれば会釈するだけ...という感じに留めています。外に出かけたときにご近所の方に声を掛けられる確率は多少上がりましたが、名前も知らないまま一言二言交わすことがごくまれにあるだけで、何か付き合いが必要である、といったこともありません。

違うところといえば、近所のスーパーの店員さんとはどうしても顔見知りになってしまう、ということです。ただこれは東京における近所のコンビニの店員さんと顔見知りになる、ぐらいの感覚ですので、さほど気にする必要はないかと思います。

広島において、一般的に言われている地方の生活におけるイメージと現実の違いについてご紹介しました。

移住後の理想と現実のギャップを感じたとき、ガッカリすることもあるかもしれませんが、その反面思いもよらぬ嬉しいこともたくさんあります。もちろんそれは実際に住んでみないとわからないことばかりですので、これらはあくまで一例として参考にしてみてくださいね。

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