
アニメの舞台で暮らしたい!「聖地」に移住するという選択。進撃の巨人、崖の上のポニョ…オススメの自治体8選
- 『サマーウォーズ』:長野県上田市 「あの夏」の空気を感じたい方へ
- 『おおかみこどもの雨と雪』:富山県上市町 豊かな自然の中、子育てのしやすい場所
- 『この世界の片隅に』:広島県呉市 「すずさん家」から港を見渡す光景がリアルに
- 『崖の上のポニョ』:広島県福山市(鞆の浦)レトロな町で理想の田舎生活
- 『君の名は。』:長野県諏訪市 あの湖を眺めながら生活を送る
- 『進撃の巨人』:大分県日田市 「九州の小京都」として栄えた土地
- 『名探偵コナン』:鳥取県東伯郡北栄町 ゆったりとした生活を送りたい方に
- 『落第忍者乱太郎』(忍たま乱太郎):兵庫県尼崎市 推しの存在を日常に感じることのできる場所
- アニメきっかけで、暮らしの第一歩としての旅を
- 【福井県坂井市】結婚×移住で育む家族のカタチ
- 【福井県坂井市】自治体主催の婚活イベント(移住促進&マッチングツアー)参加レポ
- 日本全国の地方自治体の首長にお話を伺う「日本全国首長対談」シリーズまとめ
「地方に移住したいけれど、どこが自分に合うのか分からない」……そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
移住先を考える際には「仕事」「人間関係」「生活環境」「実家との距離」などさまざまな視点が絡むこととなりますが、近年ではその中に「アニメの聖地」という視点も入ってきているようです。「もし、自分の大好きなアニメの作品の中で暮らせたら......」なんて考えると、より移住への憧れも高まりますよね。
実際にファンの熱量が大きかった『ラブライブ!サンシャイン』(静岡県沼津市)や『ガールズ&パンツァー』(茨城県東茨城郡大洗町)では、「聖地」としてファン向けの移住相談会が開催されるなど、移住先の選択肢として大きな影響を与えています。
今回は、そんな「アニメの聖地」として知られる土地のなかでも、実際の移住先として注目できる場所を、暮らしやすさにも焦点を当ててご紹介します。知らない土地を知るきっかけとして、参考にしてみてください。
文/宮本デン
© 2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT
『サマーウォーズ』:長野県上田市 「あの夏」の空気を感じたい方へ
『サマーウォーズ』は、数学が得意な男子高校生と、憧れの先輩の大家族が、仮想世界で巻き起こる大騒動に立ち向かう、細田守監督の名作映画です。
当作品の舞台は、作中で信州上田地域と明言されています。2009年公開ながら、現在もコラボイベントが開催されるなど、地元でも長く愛され続けている作品です。
長野県といえば、近年国内外から注目されている場所。アルプス山脈を始めとした雄大な景色を感じながら過ごせることに加え、首都圏内への交通アクセスが良好であることから移住先・観光地としても人気が高いのです。
特に上田市は、歴史的な町並みと便利な都市機能が融合した住みやすいまち。新幹線の停車駅もあり、東京からのアクセスも良好です。また、子育て支援や移住者向けの補助金制度も整っており、地方への移住を考えるうえで現実的な候補になります。
『おおかみこどもの雨と雪』:富山県上市町 豊かな自然の中、子育てのしやすい場所
『おおかみこどもの雨と雪』は人間とおおかみ、ふたつの命を受け継いだ子どもたちと、それを育てるお母さんが自然のなかで歩む、静かであたたかな成長の物語です。
作中に登場する「花の家」は富山県上市町に実際に建てられており、ファンの間では「巡礼スポット」として知られています。
また、富山県自体が「子育てしやすい県」として全国的に知られており、2024年も待機児童ゼロを達成しました。自然と共に子育てをしたいと考えるご家庭には、理想的な環境といえるのではないでしょうか。
『この世界の片隅に』:広島県呉市 「すずさん家」から港を見渡す光景がリアルに
『この世界の片隅に』は戦時中の広島・呉を舞台に日々の暮らしを淡々と丁寧に紡いでいく、優しくて切ないアニメ映画です。
作中には呉市で見ることのできる光景がそのまま描かれているため、まさに聖地と言える場所。現地には「すずさん家(すずさんがた)」が存在するなど、作品の雰囲気を感じながら日常を送ることができます。
呉市は広島県内でも比較的発展しており、交通アクセスも抜群。瀬戸内海を望む美しい場所でありながら、都市機能も充実していて、日々の生活に困ることはありません。また、歴史や文化に興味のある人にとっても魅力的な土地です。
『この世界の片隅に』のほかにも『海猿』や『ドライブ・マイ・カー』など、数々の作品のロケ地となっている呉市。その美しい風景や街並みを見て、好きな作品に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
『崖の上のポニョ』:広島県福山市(鞆の浦)レトロな町で理想の田舎生活
『崖の上のポニョ』は海辺の町で暮らす少年と不思議な魚の女の子が出会い、世界を巻き込む大冒険に発展していく、どこか懐かしくて心が弾むジブリ作品です。
作品中に明確な地名の登場はありませんが、鞆の浦の江戸時代から続く風情ある港町の様子や、レトロモダンな建物が作中の描写とリンクすることから、ファンの間では『崖の上のポニョ』の聖地としてひそかに愛されている場所です。
2025年の3月に「鞆未来トンネル」が開通したばかりで、交通アクセスも向上。元々観光地としての人気が高い地域ですが、穏やかな港町でのびのびと子育てをしたいと考える人にとっても理想的な場所です。
鞆の浦はその美しい街並みを保全するために、空き家を活用し移住を後押しする取り組みも進められています。レトロな街並みの中で田舎暮らしをしてみたい!という理想が叶えられるかもしれません。
『君の名は。』:長野県諏訪市 あの湖を眺めながら生活を送る
『君の名は。』は、見知らぬふたりの高校生が夢の中で不思議な入れ替わりを経験する中で惹かれあっていく、美しい風景が印象的な新海誠監督の大ヒット作です。
こちらも物語の舞台のモデルとなった場所については明言されていません。ですが、長野県諏訪市は、映画を見たことのある人なら絶対にハッとしてしまう光景があることで知られています。
諏訪市の立石公園から見ることのできる広大な諏訪湖は、まさに『君の名は。』で見た糸守湖そのもの。今もなお多くのファンがその光景を求めて訪れる場所です。
前述したように長野県は近年人気が高まっています。諏訪市は特に交通や医療、買い物施設が集約された「コンパクトシティ」を目指した整備が進められており、自然に囲まれながらも便利な生活を送れる地域です。
『進撃の巨人』:大分県日田市 「九州の小京都」として栄えた土地
『進撃の巨人』の作者・諫山創さんの出身地、大分県日田市には作中に登場する「壁」に見立てた大山ダムと、それを見上げるキャラクターの像があり、ファンにはたまらない光景を見ることができます。
かつては「九州の小京都」として栄えた大分県日田市。今もなお残る風情ある街並みが広がり、市内の天ヶ瀬温泉は豊後三大温泉の一つとしても知られています。
日田市の中でもさまざまなエリアが広がっており「自然の中で暮らしたい」「子育てのことも考えて移住したい」など、自分のライフスタイルに合わせた選択が可能です。アニメファンだけでなく、歴史や文化が好きな方にもおすすめしたい地域です。
『名探偵コナン』:鳥取県東伯郡北栄町 ゆったりとした生活を送りたい方に
「コナンに会える町」として有名な鳥取県北栄町は、『名探偵コナン』の原作者・青山剛昌さんの出身地。街中にはコナン通りやコナン大橋があり、作品の世界観を感じながら日常を送ることができます。
車は必須ですが、駅前にはスーパーや医療機関も整い、子育て世代や定年後の穏やかな暮らしを希望する方にも人気です。また、農業が盛んな地域としても有名なため、新規就農者向けのサポートも充実しています。移住を機に農業にチャレンジしてみたい!という方も、候補に入れてみてはいかがでしょうか?
『落第忍者乱太郎』(忍たま乱太郎):兵庫県尼崎市 推しの存在を日常に感じることのできる場所
『落第忍者乱太郎』の作者・尼子騒兵衛さんの出身地である兵庫県尼崎市。登場人物の苗字の多くは兵庫県内の地名などに由来しているため、ファンも多く訪れます。自治体からも愛されている作品で、なんと聖地巡礼マップを尼崎市役所開明庁舎で配布しているんだとか。
街中は比較的都市部に近く、関西圏へのアクセスも良好。駅前には商業施設も充実しており、暮らしやすい街としての魅力も溢れる土地です。
少し外を歩けば推しの名前が書かれた看板があったり、地域とコラボしたイラストが目に入ったり......『忍たま』ファンにはたまらない地域なのではないでしょうか?
また、尼崎市では移住促進の一環として「若年世帯向け住宅支援」など、支援制度も充実しています。身近に推しを感じられる場所で、自分らしい暮らしを始めてみるのも面白いですよね。
アニメきっかけで、暮らしの第一歩としての旅を
「アニメがきっかけで引っ越すなんて......」と思うかもしれませんが、そのきっかけが、人生を大きく変える一歩になることも。しかし、どんなきっかけでもその土地に関心を持つことは、移住を現実的なものとして考えることの大きな一歩となるはずです。
まずは、旅をするように「気になる聖地」を訪れてみてはいかがでしょうか?もしかしたら、その土地との意外な出会いもあるかもしれません。