地方移転 コロナ禍以降企業の地方移転が活発化!災害から東京一極集中のリスクを考える
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で公示地価は上昇基調が一転し、6年ぶりの下落となりました。外出自粛や渡航制限で観光地や繁華街での下落が際立ち、特にインバウンド観光の恩恵を受けてきた大阪の道頓堀や東京の銀座や浅草などの観光地も10%前後下落しています。インバウンドなどの観光客の回復が見通しが不透明な中で、飲食店やホテルが集まる繁華街の地価は今後も下落する可能性があり、新型コロナウイルスの影響は観光業にとってこれまでにない脅威となっています。しかし、観光はこうした偶発的な出来事の繰り返しです。これまでも観光業は国際問題や自然災害、航空機事故や原油高騰など予期せぬ偶然の出来事に直面し、その度に試行錯誤を繰り返してきた経験があります。これから起こりうる事態にも備えていかなければなりません。
異常気象・台風による影響
地球温暖化の影響により、日本の各地域で“これまで経験したことのない”集中豪雨が発生しています。2017年には台風21号が関西に上陸し、暴風で流されたタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突しました。これにより空港機能が停止し、インバウンド観光が盛んな関西の観光に大きな影響を与え台風の爪痕を残していきました。2018年にも記録的なゲリラ豪雨が発生し、広島県や岡山県で大きな土砂災害・浸水害をもたらしました。気温の上昇や大雨の頻度増加の気候変動が日本の各地域で進行しており、今後も日本の観光地でも集中豪雨や台風が更に進行することが懸念されます。台風やゲリラ豪雨による被災が発生するとインパクトを与える映像や画像が世界中のメディアで報じられ、不可逆的な悪影響を起こすリスクもあり、観光業では深刻な問題となっています。
首都直下型地震や南海トラフなど大規模な地震の可能性
災害大国である日本が最も注意し備えていかなければならないのが地震です。2011年には東日本大震災を経験し、地震や津波などの自然災害の脅威とともに原発事故もあり、世界中で注目を集めました。震災から10年が経過していますが、震災の体験や教訓を世界に伝えていくことも求められています。
首都直下型地震の被害予測
東京を中心とする首都圏の周辺地域の地層は特徴的で複雑なプレート構造の領域に位置しているため、この地域で発生する地震の様相は極めて多様で、日常的に揺れの多い地震が頻発しています。
過去に発生した首都直下型地震は1923年大正関東地震、1703年元禄関東地震、1677年に発生した延宝房総沖地震とあります。 1923年大正関東地震、1703年元禄関東地震はフィリピン海プレートと北米プレートの境界のタイプの地震で、200年~400年間隔で発生すると言われています。このタイプ地震は発生前にM7クラスの地震が複数回発生しているのが特徴とされています。また、1677年に発生した延宝房総沖地震はフィリピン海プレート及び北米プレートと太平洋プレートの境界の地震で、津波の規模に比べ地震の揺れが小さい「津波地震」の可能性が高いと言われています。この地震の繰り返しは確認されておらず、発生間隔は解明されていません。いずれにしても、首都直下型地震が発生すると、観光は愚か交通や通信は麻痺し人的被害や経済的被害は計り知れないものになると予測されます。
首都直下型地震は早ければ1年以内、今後30年以内に70%の確率で東京を中心とする首都圏に最大規模の地震が起きると予測されています。
想定される被害も、死者は阪神・淡路大震災の約3.5倍にのぼる最大で約2万3,000人と予測されて、建物の全壊および焼失棟数は死者は阪神・淡路大震災の約5.5倍にのぼる最大で61万棟数といわれています。そして経済損失は日本の国家予算に匹敵する約95兆円といった規模になると予想されています。
南海トラフ地震の被害想定
南海トラフとは、日本列島が位置する大陸のプレートの下に、海洋プレートのフィリピン海プレートが南側から年間数cm割合で沈み込んでいる場所のことをいいます。この領域では100から200年周期で大規模な地震が起きています。70年前に昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きていることから、南海トラフ地震も今後30年以内に70%の確率で起きると予測されています。 しかし、南海トラフ沿いの大規模地震は発生形態が多様であり、確度の高い地震の予測は困難であるとされています。
想定される被害も、死者は阪神・淡路大震災の約12倍にのぼる最大で約23万1,000人と予測されて、建物の全壊および焼失棟数は死者は最大で209万4,000棟といわれており、経済損失は日本の国家予算の約2倍となる約207兆8,000億円と首都直下型地震よりも大規模な被害になると予想されています。
富士山噴火の可能性
南海トラフのような巨大地震が発生すると、富士山の噴火を誘発する可能性もあり、前回富士山が噴火した1707年の宝永噴火では、南海トラフを震源とする宝永地震が起き、その49日後に富士山が噴火したと考えられています。富士山が噴火すれば、高熱の溶岩が、富士山の近隣を通る高速道路や東海道新幹線をものみ込み、火山灰が空を覆い尽くすことで飛行機の運行も不可能になります。また、通信や生活インフラにも影響が出る可能性があるので、様々な被害が想定されます。富士山も周期ごとに噴火を繰り返していますが、前回の噴火から300年以上経過していることから、いつ噴火してもおかしくないと言われています。
リスクはコロナなどの感染症ではなく、一極集中である
台風や豪雨、地震や富士山の噴火など大規模な自然災害が起こるとによる観光客の減少に繋がり、大きな影響を与えます。航空や道路、鉄道施設などの被害はもちろん、日本経済に大きな打撃となります。しかし、日本の観光は東日本大震災やSARSや新型コロナウイルスなど様々な経験をして復興してきました。その時の経験を生かし、世界から安心して観光ができる都市にならねければなりません。東日本大震災が発生してからも東北には多くの観光客が訪れるようになりました。新型コロナウイルスが流行している世の中でも、これからワクチンに投与が世界中で進み、世界中から観光客が訪れることができる時代が訪れます。いつでも日本の観光は立ち直ることができるのが過去の事例からも証明されています。
東京のように政治と経済が一拠点に集約されている都市は先進国の中でも珍しく、東京は世界の都市で最も人口が密集している都市となっています。例えばアメリカは政治がワシントン D.C.、経済がニ ューヨーク市と、都市ごとに機能が分担されています。また、企業の本社機能もニューヨーク市以外の地方都市にも、 製造、流通、金融などの大企業の拠点が分散しており、 政治と経済が一緒だと災害などの有事の際にもリスクが生じてしまします。これから日本経済を見つめていく上で、地方への移転を検討することも重要だと考えています。