【移住対談シリーズNo.2】富山県魚津市・村椿晃市長が語る「移住」とは?魚津市の魅力や他県と違うポイント、移住への取り組みなどを市長に伺います
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たびすむの運営会社BeAの代表取締役・武内大と地方自治体の市長(移住担当者)が移住について対談する企画が始まりました。第2弾は富山県魚津市。魚津市長の村椿晃(むらつばきあきら)氏に、移住定住への取り組みや感じている課題、今後期待していることについて伺いました。
富山県魚津市はどんな街?蜃気楼が見えると有名
富山県東部に位置する魚津市は、古くから豊かな水と肥沃な土壌で知られています。新鮮な海の幸が獲れる海岸部から北アルプスまでの距離が短く、豊かな自然や多彩な農産物・魚介とグルメが充実していることも魅力です。「蜃気楼が見える街」としても有名で、魚津の美しい景色や蜃気楼を目当てに多くの観光客が訪れます。
移住に関する支援では、住まいの助成金制度や公営住宅が多くあるほか、個性的な飲食店や地元の食品を扱うスーパーマーケットも多数あるため、暮らしに不便を感じることはないでしょう。
◆魚津市情報ページ
https://tabisumu.jp/municipality/TOYAMA/uozu
富山県魚津市の移住者には子育て世帯や若者も
武内:「村椿市長、本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、近年の魚津市の移住者の動向を教えてください」
村椿市長:「魚津市は小さな町なんですが、アパートなどの住宅は結構多いです。転勤や異動でやってくる若い人たちが市内のアパートを利用している傾向にあるので、比較的若い世代の独身者の転入が安定してあるというのが最近の動向ですね。市の方でも若い世代の人々の転入を応援する施策を前からやっていたので、その制度も活用してもらっていると思います」
武内:「北陸の自治体をいくつか伺っていますが、移住希望者がいても住むところがなかなかないという声も結構聞きます。魚津市は単身者向けも含めてアパートが比較的住む場所が多いというのは特徴的ですね」
村椿市長:「そういう背景を活かして、アパート(マンション)に入る人を応援しようと、魚津市は地方創生の最初のころから制度を作ってプッシュしてきました」
武内:「単身者以外ですと、子育て世代とかの流入にも力をいれていると伺っていますが」
村椿市長:「はい。当初は単身者向けの制度を3〜4年くらい拡充していてそれなりに成果があったのですが、やはり少子化が課題になっています。そのため、転入してきた単身者が結婚して魚津で家を構える、そういう人を応援したいと思い、ポイント(ターゲット)を独身者から若い世代にシフトして、試行錯誤しながら取り組んでいます。例えば魚津で家を建てるときに転入の助成金を手厚くしたり、引っ越しの費用を援助したり、さらに子どもがいる場合は補助金を加算したりということをしています」
武内:「それで県外からの移住者が増え始めているということですね」
村椿市長:「そうですね。少しずつ施策の効果は現れているんじゃないかなと思います」
魚津市の魅力は海や山、個性的な飲食店!
武内:「魚津市の魅力は、ズバリ何ですか?」
村椿市長:「海が近いし山も近いので自然の魅力があるのはもちろんですが、何よりも魅力なのは、街中に個性のある飲食店がいっぱいあることですね」
住みやすい町ランキングでは上位をキープ
武内:「個性のある飲食店とは具体的にどのような?」
村椿市長:「要はチェーン店とかではないということです。海と山が近いということは、例えば海産物とかフルーツをはじめ、食材が豊富なんです。そうすると、それを生かした特色のある飲食店、これを経営する方々が結構多い」
武内:「なるほど!」
村椿市長:「これは都市伝説なので本当かどうか今ではわからないんですが、かつて魚津市は『人口あたりの飲食店』が全国で1番か2番目ぐらいに多いと言われていました」
武内:「そういうこともあり、魚津市は全国の住みやすい町ランキングでも常に上位の方にいる、というわけですね」
村椿市長:「はい。何年か前に、住みやすい町ランキングに『人口あたりの飲食店数』という評価指標が加わったんですよ。それで一気にトップ10に入ったという経緯もあります」
住みやすさと自然を備えたコンパクトシティ
武内:「ここ(市役所)へ来るまでに『コンパクトシティ』という文字を目にしたのですが、やっぱり海と山の距離感がすごく近いなと感じました。」
村椿市長:「先ほど言った魅力的な飲食店が多い一方で、スーパーマーケットも街には結構あったりして、日常生活がしやすい環境なんです。それに加え、ちょっと行くと海があり、反対へ行けば山にも登れる。生活しやすい平野部というんですかね。コンパクトでありながら、自然がすぐ側にあるというのが魚津市の最大の特徴であり魅力だと思います。」
武内:「『ちょうどよい』というキャッチフレーズも目にしましたが、まさにそういった背景から住みやすい町に選ばれているんでしょうね。」
村椿市長:「ちょうどよい、けど、とってもよい!ですね。」
富山県魚津市からの北アルプスは絶景!
村椿市長:「魚津は8kmの海岸線があって、山の一番高い部分が標高2,400mありますので、海から山頂までの距離がわずか25kmなんです。それで、8kmの海岸線と25kmの奥行きなので、掛け算すると200平方km。そのうち7割は森林なので、残りの3割くらいが海に面して平野があるということになります。この平野に、フルーツのリンゴや梨、ブドウなど特色のある果物の畑が広がっています」
武内:「海から見える北アルプスの風景は、日本で富山・魚津市でしか見られないような景色ですね。(動画視聴者の皆さん)ぜひ見に来てください」
「魚津のGAP」=ぶどう、リンゴ、梨
村椿市長:「魚津のフルーツに特色があります。一年を通して早い季節からいくと、初夏には桃やブルーベリー、そしてブドウ、梨。秋になるとリンゴがあります。私がよく東京などで魚津のフルーツを宣伝するときには、『魚津のGAP』と呼んでいます」
武内:「魚津のGAPですか?」
村椿市長:「洋服ブランドGAPではないですよ。Gはグレープ、Aはアップル、PはPears(梨)です。みなさんに魚津のおいしいフルーツの映像を見てもらい、収穫量は多くはないですが、特色のあるフルーツができます、と言っています」
武内:「確かに、魚津というと市の名前から『フルーツが特産』といわれてもギャップがありますね(笑)」
村椿市長:「そうでしょ、魚なんじゃないの?と思いますよね」
「魚津のAKB」=甘エビ、カニ、バイ貝
武内:「でも、魚津市は魚も豊富ですよね?」
村椿市長:「魚もいいですよ!(対談の)少し前の時期から、カニ漁が始まりました。富山湾でカニ(紅ズワイガニ)が一番水揚げされるのは、魚津の港なんです」
武内:「そうなんですか!初耳でした」
村椿市長:「紅ズワイガニは、ちょっと深い800〜1,000mぐらいの深海に餌を入れたカニカゴを沈めて、餌を食べに集まってきたカニを獲ります。これはとってもサスティナブルな方法でもあります。ズワイガニの漁で使われる底引き網は海底をガーッとさらうのですが、カニカゴはカニだけを狙って獲る漁も調整できるので、資源保全にもつながります」
武内:「獲りすぎることを防げるんですね。」
村椿市長:「そうです。そして、紅ズワイガニは味がとてもおいしい。魚津は9月の上旬からカニ漁が始まり、翌年の5月末まで行われます。特に冬(12月〜3月くらい)の時期が一番旬でおいしいと思います」
武内:「果物があって海産物もカニもあって、一年を通しておいしいものが食べられますね」
村椿市長:「はい。さらに春になるとホタルイカも出てきますね。あと甘エビもたくさん獲れます。海産物の宣伝をするときは『魚津のAKB』と呼んでいますね」
武内:「フルーツはGAPで海産物はAKBですね」
村椿市長:「Aは甘エビ、Kはカニ、Bはバイ貝です。魚津にはミシュラン一つ星のお寿司屋さんもあるんですが、寿司ネタにグーでしょ」
武内:「食のネタが本当に豊富な町なんですね」
自由な働き方ができる社会を目指す
武内:「一点、施策でおもしろいなと思ったのが、『ウェルビーイング』という単語です。ワーケーションとは違うのでしょうか」
村椿市長:「原点は一緒ですかね。もともとは『WAA(ワー)』という言葉があって、「Work from Anywhere and Anytime」、つまり、どこでもいつでも自由な働き方ができる社会を目指しましょうと。これがまず原点です。コロナ禍の前からこういう考え方があって、私の知り合いの方がそういう取り組みをしていたんです。それに共感して、地方でもそういうことをしたいと思い取り入れました。
自宅でもどこでも働きやすい、そういう世の中になったらいいよね、というのが原点です。そのあとに『ワーク+バケーション』のワーケーションが言われ始め、そういう働き方、生活の仕方が当たり前になればみんな幸せですよね。ウェルビーイングですよね」
ワーケーションを応援する取り組みも
武内:「そういう取り組みも早かったわけですね。今回、富山へ新幹線で来て驚いたのが、東京・上野・大宮・長野、その次がもう富山なんですよね。なので、1ヶ月に1回どころか1週間に1回でも、新幹線代さえ出してくれれば余裕で通勤できますね」
村椿市長:「魚津市でも、地方での働き方や時間の過ごし方をより良くしてもらうために、応援できる仕組みを作っています。まあワーケーションですね。それでどんどん来て、魚津を体験して知ってほしいと思っています。」
新幹線の影響で近々、北陸がキーになる?
武内:「まもなく(2024年春)福井まで新幹線が伸びるということもあって、これからは移住はもとより観光という点でも、北陸の地域はキーになるのではと思っています。北陸の中で富山県魚津市の魅力、どう差別化をはかっていくのでしょうか」
村椿市長:「自然の良さや文化的なお祭りなどは、全国どこにでもありますよね。私は、一番の魅力はそれを支えている地元の人だと思うんです。そういった魅力的な人をもっともっと増やし、その人たちの発信をもっと多くする。『この人に会いに来よう』『その人がやっているプロジェクトを手伝いたい』と思ってもらうことが大事だと思うので、これから力を入れていきたいですね。そして、それは魚津市だけではなくて、黒部市や入善町、朝日町など、エリアで連携を強めながらやっていきたいなと思っています」
武内:「人が人を連れてくるという状況が作れたら強いですよね」
たびすむユーザーへ池田市長からメッセージ
武内:「最後に、たびすむをご覧いただいている視聴者へ、熱いメッセージを願いします!」
村椿市長:「たびすむをご覧になっている皆さん、どうもありがとうございます。今回このような機会をいただいて、とても光栄に思っています。何よりも、ぜひ一度魚津市へ来てみてください。そして体験をしてください。どういう場所で何が行われているかを知ってもらえれば、きっと魚津のファンになっていただけると確信しています。ぜひよろしくお願いします。」
武内:「村椿市長、非常に力強いメッセージありがとうございます。本日は貴重なお話を頂きまして誠にありがとうございました!」
今回の対談は、たびすむのYouTubeチャンネルでも動画を公開しています。より詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
◆魚津市情報ページ
https://tabisumu.jp/municipality/TOYAMA/uozu