【前編】計画通りの移住ではなくとも、積極的に地域に溶け込み新しい土地で楽しく暮らす

当初の移住計画が上手くいかなくとも、柔軟に考え長野へ引っ越し

都心を離れ地方で暮らす方に、移住についてありのままを伺うシリーズ。今回は、東京都北区から長野県佐久市に移住した桑原さんにお話を伺いました。


文/長井杏奈

 ―本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単な自己紹介と、移住までの流れを教えていただけますか?

初めまして、桑原です。私は2021年12月に、夫と娘と東京都北区から長野県佐久市に移住しました。移住のきっかけは、2019年4月に長野県南佐久郡佐久穂町に大日向小学校が開校すると知ったことです。

こちらではイエナプランといって、子どもたちが自身の個性を活かして自由に学べる教育方針を採用しています。大日向小学校のことを調べるうちに、ぜひ娘をこちらに通わせたいと思うようになりました。


―移住は、娘さんの子育て方針が理由だったんですね。

はい。それに加えて、私はいろいろなコミュニティに参加しているのですが、そこで多くの人の話を聞いたことも大きかったです。もともと、暮らしについては「賃貸か持ち家か」くらいしか選択肢がないと思っていましたが、自由に暮らす方の話を聞いて、固定概念がなくなりました。他拠点生活をしてもいいし、それにあわせて働き方を変えることもできると思い、個人的なパラダイムシフト(改革)があって移住を決めました。

娘が小学校にあがるまで2年ほどあったので、時間をかけて情報収集や移住の準備をし、大日向小学校を受験したのが2021年11月のことです。入学する気で準備を進めていたのですが、倍率が非常に高くて落ちてしまいました。


―2年間も準備していたのに、ショックですね。

一日はへこみましたが、改めて夫と話し「現地についてリサーチしたり、自分たちの働き方を変えたりと、せっかく移住できる準備をしたんだから長野に行ってみよう」という結論に至りました。

もともとは大日向小学校のある佐久穂町で暮らそうと思っていたのですが、別の場所でもよくなったので、佐久市の野沢という地域を選びました。野沢は教育関係の制度や子育ての環境が整っていて、公立の小学校も評判が良かったのでこのエリアで新居を探しました。

新しい地域で自らコミュニティに飛び込み、積極的にかかわりを持つ

―当初の目的が達成できなくても諦めることなく、移住を実行されたんですね。引っ越し先を急遽変えることになったと思うのですが、家探しは大変でしたか?

すごく大変というほどでもなかったのですが、移住者に最適な家があまりないと感じました。特に佐久穂町は、11月に大日向小学校の受験結果が出て、合格した家族はすぐに新居を決めなくてはなりません。11月〜3月に引っ越しをしますが、良い物件はすぐに埋まってしまいますし、物件をおさえるために12月から契約するように言われることも多いようです。

私たちは2年前から物件情報を見ていたので、家賃相場や周辺環境も理解していました。また、賃貸運用しようと思い物件を購入し、DIYのために半年ほど月1ペースで通っていたので、土地勘もありました。これから大日向小学校に入学して移住される方は、早くから物件情報を調べておくと良いと思います。

―現在、移住して約2ヶ月が経ちましたが、生活には慣れましたか?

はい、移住について調べている時に「自分から地域に飛び込んでいくようにした方がいい」と聞いたので、小学校のPTAや自治会などに積極的に参加しようと思っています。現在は自治会のサポーターとして関わらせていただいています。

―素晴らしい積極性ですね。

もともと出身が関西で、人前にどんどん出られるタイプなんです。ただ、東京に出てきた時に素のキャラクターで人と接したら、距離感が近すぎて裏目に出てしまったことがありました。そこから適切な距離感を学び、この経験は移住してからも役立っています。


自然の豊かさと生活のしやすさを兼ね備えた環境で、家族で楽しく生活

―桑原さんは移住に関してずっとポジティブな姿勢だと感じたのですが、何か不安はありませんでしたか?

長野の寒さには戦々恐々としていましたが、意外と問題ありませんでした。寒いのが当たり前の地域なので、そもそも住宅を建てる時に気密性が重視されます。現在暮らしているのは新築アパートということもあり、あまり寒さを感じません。日々の雪かきも楽しんでいます。

―では、あまりギャップはなかったのですね。

はい、佐久市はコンパクトシティで生活も便利です。コンビニは3分、スーパーは5分の距離にあります。家を一歩出れば悠然な山々も見えるので、便利さと自然の豊かさをどちらも感じられる素敵な場所です。

―今回の移住はお子さんの教育がメインの理由でしたが、移住前後で何か変化はありましたか?

娘は社交的な性格で、どこでも生きていけるタイプです。

こちらで3ヶ月だけですが、保育園にも入り楽しく過ごしていますし、公立の小学校へ行っても変わらずマイペースに過ごしてくれると思います。万が一生活や学校に合わないとなっても「わたしたちはどこでも生きていける」という自信があるので、身軽に方向転換できると思います。



目標としていた小学校への入学は叶わなかったものの、新しい場所で新しい暮らしを楽しんでいる桑原さん。

次回は、移住前後のお仕事や生活スタイルの変化についてお伺いします。


続きはこちら https://tabisumu.jp/special/list/url11


合わせて読みたい

▲【前編】持ち前のアクティブさと決断力で、次々と「移住先ならではの活動」を始める

▲【後編】「移住お試しシェアハウス」の運営から広がる、地域の方との暖かな交流

▲長野県移住モデル地区 自然豊かな原村の魅力と移住支援制度とは? 100万円の補助金も