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温かい人に囲まれ、季節の移り変わりを感じられる人間らしい生活を送る
都心を離れ地方で暮らす方に、移住についてありのままを伺うシリーズ。
今回は、東京都足立区から岩手県陸前高田市広田町に移住した、野尻さんにお話を伺いました。
インタビューライター/長井杏奈
写真提供/野尻さん
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便利さがないからこそ、自分の手でできることが増え、人間力が養われる
―前回、社会人になって半年で移住を決めたというお話がありましたが、ご家族や周りの方はどういった反応でしたか?
両親は、学生時代から陸前高田に通う姿を見ていたので、「もしかしたらいずれはあちらに行くのかな」と思っていたようです。移住を決めた後、父は「自分の人生だから、好きなことをしなさい」と言ってくれました。母は寂しさはありつつ、応援してくれました。姉二人も、背中を押してくれた反面、「両親は特に寂しく思っていると思うよ」と伝えてくれました。
移住してからはカフェの経営について近況報告していて、今はとても前向きに応援してくれています。また、姪がSETの開催したモニターツアーに参加して、遊びに来てくれました。
友人もサポートしてくれていて、カフェをリノベーションするときに行ったクラウドファンディングで、支援してくれたりSNSでシェアしてくれたりしました。オープンしてからもSNSを見てくれるなど、気にかけてもらっています。
―とても素敵ですね。実際に移住してきて、生活面で何か変わったことはありますか?
学生の頃は春休みなどを利用して一か月滞在していたこともあったので、コンビニがないことや電灯が少ないことには慣れており、大きな変化は感じません。東京より落ち着いていて、都内では華やかなクリスマスソングが流れるころ、陸前高田ではきよしこの夜が似合うほどの雰囲気で、こんなに静かなクリスマスがあるのかと思いました。便利さはないですが、自分たちで楽しもうとポジティブな気持ちになります。
また、自然が近いので、休みの日にふらっと海に行くこともできます。東京にいた時より、気軽に遊べる感覚です。地元の方とのつながりも増えて、気軽に「ご飯を食べにおいで」と言ってくださる方もたくさんいます。移住者同士のつながりもあって、食事をしたりスポーツをしたりしました。
―毎日楽しそうな生活ですね。都内にいた頃の暮らしと比べてみて、いかがですか?
以前より、人間らしく生きていると感じます。東京にいると便利なものが多くて何でもすぐ手に入りますが、こちらではそうもいかず、「自分たちで作ってみよう」となります。だから、体一つでできることが増えました。地元の方からは先人の知恵も教えてもらって、人間力を養えています。
様々な選択肢を含めれば、移住先でも収入を得ることは難しくない
―移住を考えている方は収入を心配しているケースも多いのですが、何かアドバイスはありますか?
たしかに私の移住仲間でも、仕事や収入を心配している人はいました。でも、現地に行けば何かしら仕事はあるものです。陸前高田なら漁業や宿泊業は人手不足状態ですし、生活に困ることはないと思います。
また、私が所属しているSETのように、移住者と地元の方をつなげる団体に相談するのもいいかもしれません。他にも地域おこし協力隊で来るなど、方法はあります。