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【前編】移住先で自分の居場所と仕事を作り、地元に馴染んで活動

東伊豆町地域おこし協力隊、荒武さんと藤田さん

都心を離れ地方で暮らす方に、移住についてありのままを伺うシリーズ。

今回は、神奈川県と東京都から静岡県賀茂郡東伊豆町稲取に移住した、荒武さんと藤田さんにお話を伺いました。


文/長井杏奈

空き家改修と自然ガイドという、別ジャンルの2人を引き合わせた地域おこし協力隊

―本日は東伊豆町稲取に移住されたお二人の対談ということで、よろしくお願いいたします。まずは、移住までの経緯を教えてください。

荒武さん

荒武さん:私は大学院生の時に同級生たちと学生団体を立ち上げて、稲取の空き家を改修するプロジェクトを始めました。実際に1軒の空き家を改修したのですが、どんな風に作るかを考えるにあたり、学生メンバーの視点しか持てず改修後活用されなかったという反省がありました。

そこで2軒目を改修する時は、地元の人の目線を取り入れ、本当に使ってもらえる場所を作ろうと決意し、町の有力事業者の皆さんで構成された「東伊豆町空き家等利活用推進協議会」との協議の場を設けていただき、毎月、色々な意見を集めました。

その結果、「旅館で働く若手社員が集えるような酒場がほしい」「稲取は海に面しているから、釣った魚を調理できる場所がいいのでは」といった声が上がりました。そこで、「食でつながるコミュニティスペース」というテーマで、「ダイロクキッチン」というシェアキッチンを設立。その管理をするため、地域おこし協力隊として移住しました。

藤田さん

藤田さん:私は自然環境を学ぶ専門学校に通っており、卒業後は自然の魅力を伝えたいと考えていました。そんなとき、東伊豆の地域おこし協力隊が募集を出していたことを知り、応募したことが移住のきっかけです。

どこかに就職するという選択肢もありましたが、自分で自分のいる場所を作りたいと思いました。また、海と山が近い地形に興味がありました。

荒武さんはすでに地域おこし協力隊は卒業されていましたが、OBとして関わってくださっていて、それが出会いのきっかけです。


―お二人とも地域おこし協力隊という共通点があったのですね。移住してからは、どのような活動をされていますか?

荒武さん:学生の間にシェアキッチンを作り、完成後は地域おこし協力隊として稲取に引っ越し、まずはこのキッチンを認知してもらうための活動をしました。初めは空き家改修プロジェクトで協力いただいた方しか知り合いがいなかったのですが、そこから積極的に人脈を広げ、少しずつ知ってもらいました。

ただ待っているだけでは人は集まらないため、地元のイチゴ農家さんと連携してジャム作りワークショップを開いたり、写真サークルの方と展示会を開いたりしました。今はNPOを立ち上げて運営していますが、そこに地元の方もジョインしてくれて、町に馴染んできたと思います。

今はシェアキッチンのほかに、湊庵という宿泊施設や、コワーキングスペースの運営も行っています。


藤田さん:私は伊豆半島ジオパークの一つである稲取細野高原を中心に、東伊豆のガイドツアーをしています。この高原は一面にすすきが広がっていて、本当に美しいです。私は自然についてや、伊豆の成り立ちからその草原の成り立ちなど、一つのストーリーとして伝えます。


荒武さん:藤田さんは自然や虫について質問すると何でも教えてくれるので、ふじペディアと呼んでいます(笑)伊豆半島ジオガイドの認定を取得したり、今でも日々いろいろなことを勉強していて、彼のジオガイドがあると稲取の自然の豊かさを体感していただくことができます。

藤田さんが行うガイドツアーの様子

藤田さん:ありがとうございます。宿泊事業を担う合同会社so-anは二人で立ち上げ、二人三脚で運営しているので、そのお客様をガイドすることも多く、どう満足度を上げるかはいつも考えています。

宿の運営とその顧客のガイドツアーを連携して実現

―一緒にお仕事をされているんですね!お二人の出会いについて詳しく伺えますか?

荒武さん:私が地域おこし協力隊の任期を終えるタイミングで、藤田さんが協力隊に入りました。先輩としてメンターを務めていたのですが、協力隊になる前から東伊豆の山に来て野宿をしていたと聞いて、「どんな子なんだろう、大丈夫なのかな」と思いました(笑)

それから交流が始まり、「この土地の自然環境を子どもに伝える仕事をしたい」という話を聞きました。私はNPOを立ち上げていたのですが、私も彼も自分の力でこの地域に仕事を創りたいという思いがあり、それぞれが開業するよりも生存率が高まりそうなお互いの得意分野を持ち寄って起業するという選択をしました。

藤田さん:荒武さんの第一印象は、「色々なことをしていてすごく忙しそうだけど、何をしているんだろう」でした(笑)。ただ、稲取に来てすぐのころ、地元の方や役場の方に「まずは荒武に会っておきな」と言われていたので、町の人に愛されていることがよくわかりました。


  ―お二人とも、意外性のある出会いだったんですね!今ご一緒に運営されている宿はどのような施設ですか?

荒武さん:空き家改修のプロジェクトを進める中で、宿泊施設をやりたいと思い始めました。私は稲取の港町の路地裏の風情に関心があったのですが、この町を訪れる観光客は、そんなところまで足を踏み入れません。ほとんどの時間を宿で過ごす観光のスタイルが主流な町ですが、あえてニッチな路地裏に宿を作り、お客さんたちに港町の風情を体感してもらいたいと思っていました。

目の前に海が広がるコワーキングスペース

そんな時に「うちに空き家があるから使ってほしい」というお話をいただき、見に行ってみたら理想的な立地だったので、そこで運営をスタート。藤田さんのスキルを活かして、港町の魅力や自然を丸ごと体感してもらうプランを練りました。「稲取の暮らしを旅する宿、湊庵」というコンセプトで、スローな港町の雰囲気が体感できると好評いただいています。


藤田さん:私は宿の宿泊業務も兼任しているので、お客様と近い距離でガイドすることができます。自然だけでなく町を案内することもあって、とても面白いです。また、宿という拠点があることで非常に集客しやすいと感じます。せっかく滞在してくれた方には、普通では知ることのない東伊豆の成り立ちなど、ワンランク上の知識を楽しんでもらいたいです。




それぞれの目的で稲取にやってきた2人は、同じ移住者としてこの町に馴染み、自分自身で居場所を作り仕事を始めました。

次回は、稲取の魅力やこれからの展望について伺います。

後編はこちら


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