【前編】移住と同時に会社を創業。越後湯沢で移住者支援、移住促進を手がける
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都心を離れ地方で暮らす方に、移住についてありのままを伺うシリーズ。
今回ご登場いただいたのは、2019年に千葉県流山市から新潟県・越後湯沢に移住した伊藤綾さん。
現地では移住希望者のための職業紹介・スペース運営・起業支援などを行う「きら星株式会社」を創業し、移住促進を行っています。
前編では、ご自身の移住や「きら星株式会社」の立ち上げなどについて伺います。
【取材・文/河崎志乃(写真は伊藤さん提供)】
—越後湯沢に移住した経緯を教えてください。
学生時代からまちづくりに興味があり、不動産(ハード)の開発でまちづくりに携わりたいとショッピングモールの開発・運営会社に勤務していました。ですが大手資本の中で行えることに限界を感じ、自ら事業を立ち上げ地方の衰退に対する取り組みを行いたいと考えるようになり、退職・移住を決意しました。
地方に移住し事業を立ち上げるのに、越後湯沢のほかに軽井沢、那須塩原、熱海など、東京から新幹線で行ける場所をいくつか候補にしました。その中で、越後湯沢にはリゾートマンションがあり資産として活用できると考え、事業戦略上一番有利な場所だろうと判断し越後湯沢を移住・事業立ち上げの場に決めました。私自身新潟県柏崎市の出身なので、同じ新潟県というアドバンテージもありました。
—移住促進の事業は、やはり現地で展開した方が良いということでしょうか。
東京で地方創生などを手がける会社もありますが、私は地元のことは地元の人でなければわからないと思います。地方は信用でコミュニティが成り立っているようなものですし、現地に事業所を置くことが何よりも信頼につながるだろうと考えています。実際、現地に事務所を据えたことで、自治体や地元の業者さんとのコミュニケーションも取りやすいと実感しています。将来は他のエリアにも事務所を置けたらと考えています。
—越後湯沢のお住まいについて教えてください。また、ライフスタイルに変化はありましたか。
現在の住まいはリゾートマンションの2LDKの物件です。当時築32年の物件を150万円で購入し、450万円でフルリノベーションしました。室内は全て新しく、お風呂は源泉100%掛け流しの温泉です。ここに私と主人、この春小学校に入学する長女、保育園に通っている長男とで住んでいて、夏には第3子を出産予定です。
ライフスタイルに関しては、自分で事業を始めて自宅の近くに事務所を構えていますので、通勤のストレスから解放されました。休日も、千葉県にいた頃は仕事柄もありショッピングモールに行くばかりで、公園に行くにも小さな所しかなく子どもがすぐに飽きてしまっていました。今は自然に囲まれていて、公園ひとつとっても広くて遊びやすく、過ごし方は随分変わったと思います。
家族団らんの時間
—移住してよかったこと、困ったことは何ですか。
移住してよかったことは、知り合いが増えたことです。お店の人とも、首都圏だと顔なじみになるのはなかなか大変ですが、こちらのお店は何回か行けば顔馴染みになって、話せばすぐに打ち解けられます。お店に行くというよりも、〇〇さんに会いに行く、というような感覚です。飲食店やスーパーへ行くにしても同じです。食材ひとつにも、それを作る人、売る人の顔が見える。そういった生活ができるのは、首都圏との大きな違いだと感じています。
困ることは、強いて言えば深夜営業のお店がないとか、ファストフード店まで車で30分かかるとか、そういったことでしょうか。ですが、そんなお店が毎日必要かといえばそんなことはないので、あまり影響はありません。
—お子さんの教育についてはどうでしょうか。
子どもの教育という面でも、こちらに移住してよかったと思っています。以前住んでいた千葉県流山市は「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーもあり、人口がかなり増えているエリアです。公立の学校では生徒が増えすぎて、プレハブの校舎が増設されているほど。そして、どんな家に住んでいるのか、子どもをどんな学校に通わせているのかなど周りと比べる人もいて、合わない人は疲れてしまいます。
地方に移ると、暮らしや子どもの進路を誰かと比較する、というようなこともありません。そういったことからは解放されて、のびのびと子どもを育てることができると思います。
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千葉県流山市から、家族で新潟県・越後湯沢に移住た伊藤さん。
後編では、移住先で自ら立ち上げた「きら星株式会社」の事業について伺います。