
【前編】遠距離恋愛の後、広島県広島市で一緒に暮らすことを決意した。「受動的な移住」でも楽しめるコツパートナーの転職で東京から広島に。移住を決意できた理由とは?
- 【福井県坂井市】結婚×移住で育む家族のカタチ
- 【福井県坂井市】自治体主催の婚活イベント(移住促進&マッチングツアー)参加レポ
- 北海道根室市イベント『北海道移住セミナー「食と自然の宝庫#ねむろ暮らし」』が開催!
移住を叶えた皆さんに、自身の移住体験について"ありのまま"を伺うインタビューシリーズ。今回ご登場するのは東京都大田区から広島県広島市に移住し、「たびすむ」でも移住コラムを執筆しているライターの宮本デン(みやもと・でん)さん。
前編ではパートナーの転勤に伴う移住のきっかけや、移住に際してのパートナーとの折り合いの付け方などについてより具体的にお聞きしました。突然の広島移住に戸惑いながらも、即決できた理由は?
「都会と田舎のバランスがよい地域に住みたい」と話していた
――本日はよろしくお願いいたします。これまでにいろいろな土地に住まれていたようですが、広島県へ移住するまでの経歴を教えてください。
宮本デンさん(宮本さん/以下同じ):家の都合で8歳で神奈川県から岩手県へ引っ越し、18歳で大学進学のため上京しました。その後就職のために22歳で静岡県へ引っ越し、転職で再び東京都へ。2022年からライターを副業として始めたのですが、2024年に専業化したタイミングで夫(当時は彼氏)の広島県への転職が決まり、それに付いていく形で広島県へ移住しました。
――さまざまな場所を経験しているのですね。これまで住んだ土地の中で、特に印象深い土地はどこでしょうか?
宮本さん:小さいころに住んでいた神奈川県です。三浦郡の葉山というところに住んでいたのですが、幼いながらに”自然が豊かで静かだけど、都会が近くて便利な場所だな”と思っていました。都会と田舎のバランスがちょうどいい地域に住みたい!という思いがあるのは、ここでの暮らしが印象深かったからなんじゃないかなと思います。
※小さい頃に住んでいた葉山の風景
――以前の記事で、当時彼氏だった旦那さんの転職がきっかけで移住したと拝見しました。
宮本さん:転職活動中に「結果によっては広島行くかも」と言われたときは唐突すぎてかなり驚きました。でも即座に「まあそれもありかも」と思って「一緒に行くからどこでも良いよ~」と返しました。
私自身ちょうどライターが専業になり、どこでも仕事ができるようになったタイミングだったし、もともと「いずれは東京からは離れよう」という話をよく二人でしていたので、すぐに気持ちを切り替えられたんだと思います。それは先ほどの“都会と田舎のバランスがよい地域に住みたい”という思いがずっと根底にあったからかもしれません。
――以前から、どこでも仕事をできる準備を進めていたそうですね。エンジニアからライターへ転身した理由もそのためでしょうか。
宮本さん:ここまでのエピソードからも感じ取れるかもしれませんが、夫は場所を選ばずにやりたい仕事をやる!と突き通すタイプです。なので私は、そんな夫とどこへでも一緒に行けるように在宅勤務が可能なライターへ転身しました。
でもそれは決して何かを諦めたわけではなくて、私はエンジニアとしてやりたいことを全うした後でしたし、文章を書くことを仕事にするのも夢だったので、結果としてしっくりくる形に落ち着いたんだなと思っています。
変わらない生活を送りながら、移住先に慣れていく
――知らない土地へ移住することに対する寂しさや葛藤はありましたか?
宮本さん:東京には友達も多いですし、実家のある岩手県からも大きく離れることになるので、これまでの移住と比べるとハードルの高さは感じました。
寂しさについては「どこにいても変わらない生活を心がける」ことで乗り越えています。環境が変わるだけでも凄いストレスが掛かるのに、生活まで大きく変わったら心身共に負担は大きいですよね。
体調を崩すと「ここに来るんじゃなかった」とその土地での初めての思い出が辛いものになってしまうので、それは避けたい。なので、変わらない生活を送りながら変化に少しずつ慣れていく。小さいころから何回も移住をしてきたので、その中でたどり着いた乗り越え方です。
――移住すると伝えたときの友人やご両親の反応はどうでしたか?
宮本さん:友人たちからは「何で!?」と驚かれた後「寂しいけど、広島に行く理由ができた!」と声を掛けられることも多くて嬉しくなりました。母は特に驚いた様子もなく「どこに行っても元気でいればいい」と言われました。
「でも(東京よりは)遠くなるよ?」と言ったら「今でも同じ家に住んでるわけじゃないんだから、会う頻度は変わらないでしょ」という返答で「ああ、母娘だな」と思いましたね。
遠距離恋愛を経て「一緒にいたい」と決意。二人でたどり着いた場所
――パートナーとの移住となると「結婚」前提で考える人も多いかと思います。広島県への移住が決まったときには、既に婚約状態にあったのでしょうか?
宮本さん:いえ、決断したときはまったくそういった話は出なかったです。でももう交際期間が9年目に差し掛かるぐらいだったので、言葉にしてはいないけどゆくゆく結婚するんだろうなーぐらいには思っていました。そこだけ考えると、長年付き合ったのにあっさり別れるカップルの典型っぽいですよね(笑)。結婚については、移住後に話が進みました。
――逆に、遠距離での交際を選択肢として考えたことはありましたか?
宮本さん:実は以前に遠距離での交際をしていた期間もあったんですよ。旦那が栃木県、私が東京都という感じで一年ぐらい。その一年はどっちも結構辛かったみたいで(笑)。一緒にいてもお互いにあまり干渉しないタイプとはいえ、せめていつでも会える距離には一緒にいた方が良いなという学びを得ました。その経験もあって、東京-広島での遠距離での交際は選択肢になかったですね。
でも「私がどこでも仕事出来れば一緒にいられるじゃん!」って思うようになったのは、遠距離で交際していた時期があったからかもしれません。
――パートナーと遠距離交際をしている人、夫の転勤などで悩んでいる人に向けてアドバイスがあればお願いします。
宮本さん:私はいろいろな経験を経て「一緒にいた方がいい」と感じ、試行錯誤して環境を変えて...それがたまたま合致して運が良かったから即決できただけで、決して着いていけないからダメ、ということはありません。
自分の未来を諦めず、かつ大事な人との未来を諦めないために、お互いにとっての最善の形を常に模索し続けると、良い結果になるんじゃないかなと思っています。いきなり強く言われたらびっくりして感情を抑えられなくなることも多いので、日ごろからジャブを打って様子を見る、みたいなのも大切かもしれませんね(笑)。
(後編はこちら)
広島県広島市ってどんな街?
広島市は広島県の県庁所在地であり、中国・四国地方の最大都市です。広島市北部は壮大な山々が並び、一級河川である太田川と森林の自然を感じられます。一方、南部は瀬戸内に面しており、海の絶景を満喫できます。
そのほか、原爆ドームや平和記念公園などの平和を象徴するさまざまな展示場所があり、日本を代表する国際的な平和都市として有名です。